Logo 53dd61093cf8d63d13b3d7524c42fb9bf7adba1c6679e7e2596fdfb6aca875c6

【学歴】なぜ、地方では国公立大学>>>早慶なのか?

この記事にコメントする

地方国公立>>>早慶

ネットで、よく見かける話題がある。「地方国公立大学(旧帝大は含まない)と早慶のどちらに進学すべきか」という話題だ。いわゆる学歴ネタというものだ。

地方の高校教師によっては、国公立大学に進学することを勧めることもあるという。しかし、それは高校の進学実績を鑑みて結論に至った場合が多い。一方で、早慶に進学することを勧める人も当然いる。

模試の偏差値や、学歴を重視したネットの情報が高校生を惑わせる。焦点となるべきは、進学する本人だろう。つまり、高校生(受験生)がどの大学に進学したいかである。そして、大学で何をしたいかが本人にとって最も重要なことである。大学の志望校を決めることは、決まる人には一瞬で決まるものが、成績や両親の希望など様々な外部要因が絡んですぐには決まらない人も多くいる。

悩める高校生が、自分の意向に沿った大学に進学できるように、様々な角度から「地方国公立大学」と「早慶」を比較してみた。

大学の研究に専念するには、どちらが良いか?

高校では決して出来なかったような、ハイレベルで専門的な研究を大学でしたい高校生もいるだろう。研究をするなら、地方国公立か私立のどちらが良いのか。

そこで、今回は平成26年度科学研究費(補助金分・基金分)の配分状況等(文部科学省HP)'という指標を用意した。科学研究費という名称であるが、狭義の科学だけでなく、人文・社会科学から自然科学を含めた学術全般を指し示している。文系の人にとっても参考になるだろう。

科学研究費配分ランキングを見ていくと、

1位 東京大学

2位 京都大学

10位 筑波大学

11位 慶應大学

12位 神戸大学

13位 広島大学

14位 早稲田大学

地方国公立大学は多くあるが、筑波大学は早慶よりも研究費補助が多いことがわかる。この科学研究費だが、複数の研究者による審査である「ピア・レビュー」という方式にのっとり、審議を経て配分が決まる。筑波大学は、それだけ研究者からの評価が高い大学ということだ。筑波大学に続く慶應も私立大学で最も高い評価を得ているということになる。

shutterstock_189579380

筑波大学の筑波キャンパスの面積は、2,577,286m² もあり大学の単一キャンパスとしては九州大学の伊都キャンパスに次ぐ国内第2位の大きさである。筑波大学では、構内にバスが走行しているくらいで、移動には自転車が必須。それだけ大きいキャンパスなので、研究施設も多く、規模も大きい。

また、筑波大学には「研究生制度」というものがあり、書類審査で合格すれば特定の専門事項について教員と共に研究することができる。「つくばロボットコンテスト」といったような特徴ある科目も用意されているようだ。

研究分野は数多くあるが、ITやインターネットなどのテクノロジーを学びたいのなら慶應義塾大学のSFCがオススメだ。SFCは、日本におけるインターネットの起源であり、日本の大学の中でも先陣を切って大学改革にも着手してきた。

ITだけでなく、脳科学や生命科学なども幅広く扱っていることが特徴的だ。

shutterstock_233431657

科学研究費の配分額だけみると、筑波大学が早慶を上回っているが、慶應もそれに次ぐ配分額を支給されている。大学で具体的に研究したいことがあるのならば、その分野に強い大学を志望校に設定してみてはどうだろうか?

研究はしたいが様々な分野に興味がある高校生は、SFCのような学部がある大学に進学するもの手段のひとつだろう。

続いては、気になるキャリアにまつわる話である。就活に力を入れたかったり、起業を志す学生は地方国公立と早慶のどちらに進学するべきなのだろうか?

就活を考えると様々な要素が絡むが?

就職に強い、と一口に言っても文理、就職率、就職先の企業が有名企業か?といったような様々な要素が絡んでくるので、明確にどの大学が就職に強いかは一概には言えないはずだ。しかし、個別のデータを見ていけば浮き彫りになることもある。

まずは、文系の就職率ランキングを見ていく。3位に岩手県立大学社会福祉学部がランクイン。就職率は96.7%。7位の宮城大学食産業学部は96.6%、山口県立大学社会福祉学部は96.2%である。ここで注目したいのは学部だ。

就職率ランキングTOP10に入る地方公立大学2校のどちらも社会福祉系学部である。国家資格と結びついた学部ではあるが、福祉・介護業界というのはメディアで報道されているように負担のかかる業界だ。人材不足の分野であるからこそ、就職率が良いということを忘れてはならない。

理系の就職率ランキングを見ると、TOP10に入った国立大学は第9位の岡山大学環境理工学部(98.4%)のみ。47位に慶應義塾大学薬学部が93.7%でランクインしている。

岡山大学環境理工学部の就職状況を見ると、農林水産省、環境省、経済産業省やNTTや東京海上日動など就職が困難な有名企業の名前も並んでいる。一方で、慶應の薬学部が47位にランクインしているのも社会情勢が一枚噛んでいる。現在、新卒薬剤師は、売り手市場となっているからだ。

薬学部は、2006年から4年制から6年制に移行となった。4年制の最後の学生が卒業した2009年3月から、6年制が始まった2006年入学生が卒業する2012年3月まで、新卒薬剤師がいない空白期間が存在したのである。そこで製薬会社、調剤薬局、病院は2013年卒の薬学部生を積極的に採用することになった。この傾向は、今後もしばらく続くだろう。

参考引用:最新版「大学就職率ランキング」ベスト100(東洋経済オンライン)

早稲田大学は、純粋な就職率ランキングには一切絡んでこないが、「有名企業400社就職率ランキングTOP20」では第4位の32.9%である。32.9という数字を見て、低いと感じた人もいるかもしれないが、1位の東京工業大学でさえ、55.9%である。慶應はというと、43.9%で第3位にランクイン。有名企業への就職率の差を4位の早稲田と10%以上も引き離している。

一方、地方国公立大学は15位に神戸大学(26.1%)、19位に横浜国立大学(23.8%)がランキング入り。有名企業への就職を考えるならば、早慶に軍配が上がったようだ。早慶は大企業の本社が集まる東京にあるという立地条件から、情報も集まりやすく、就活しやすい環境であるというメリットがある。しかし、早慶といえども有名企業への就職は困難であることを忘れてはならない。

地方で就職したい高校生は地方国公立大学に進学をするべきかもしれない。早慶が東京に結びつきが強いのと同様で、地方国公立はその地域とのコネクションが非常に強いからである。

日本で起業するなら、どちらが近道か?

shutterstock_214304059

 

イマドキの高校生の中には、大学で起業の道を選ぶ人もいるはずだ。アメリカには、13歳で起業し、高校卒業の時には350万ドル(約4億円)の価値がある世界的企業にした同世代のライバルもいる。

起業に関して言えば、早慶はどちらも起業家支援が充実している方だと言えるだろう。慶應のSFCからは多くの有名起業家が誕生したという校風もあるが、大学連携型起業家育成施設として、慶應藤沢イノベーションビレッジが存在する。審査に通過すれば、賃借でオフィスを借りられる。

早稲田大学でも、早稲田大学インキュベーションセンターという起業家支援施設が存在する。SFCと同じく、審査に通過すればオフィスや会議室を借りることも可能だ。

では、地方国公立大学は起業家支援に力を入れていないかというと、決してそのようなことは無い。岡山大学の津島キャンパスには、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が設置した起業家育成施設、岡山大インキュベータが存在する。審査に通過すれば、補助金の援助も受けられるそうだ。

続いては、グローバル志向の強い高校生は地方国公立と早慶のどちらが向いているかデータや各大学の取り組みをもとに考えていこう。

地方から世界に羽ばたくことも可能か?

2014年に文部科学省が創設した事業「スーパーグローバル大学」。厳正な審査のもと全国から37校を採択し、日本の大学の国際競争力の向上を進め、グローバルな舞台で活躍できる人材を育てることを目的としている。

世界大学ランキングのトップ100を狙う実力があるトップ型、日本のグローバル化を牽引するグローバル化牽引型の2つのタイプがある。早慶は、両校共にトップ型に選ばれている。

地方国公立大学では、筑波大学、広島大学がトップ型に選ばれている。また、千葉大学、長岡技術科学大学、金沢大学、国際教養大学をはじめとする多くの地方国公立がグローバル化牽引型に選ばれている。

早稲田大学には、授業の多くが英語で展開される国際教養学部が設置され、海外からの留学生も多く在籍している。公立の国際教養大学では、留学は必須であり、教員の5割が外国籍である。しかし、スーパーグローバル大学に採択されたからといって、採択された全ての大学が、英語のカリキュラムが充実していたり、外国人留学生が多くいるわけではないので要注意だ。

グローバル化牽引型に選ばれた金沢大学は、2023年度までに学士課程の授業全体で、平均5割以上を英語で行う取り組みを進める方針を示した。しかし、現在は大学・大学院ともに英語での授業の実施率は5%以下である。つまり、これから段階的にグローバル化を進める大学も「スーパーグローバル大学」に選ばれていることを忘れてはならない。

地方から世界に羽ばたくことも夢ではないが、大学によっては現在グローバルな授業を展開しているとは限らないのである。グローバル志向の高い高校生は、実践的な語学力を学べる講義を展開している大学や、学部を設置している大学への進学を検討してみてはいかがだろうか?

以上、様々な観点から地方国公立大学と早慶を比較してきた。地方の国公立、東京の私大どちらにも優れた点はある。地方国立大学は、早慶に比べると学費は安いが、手に入る情報が少ない。早慶は情報量が多く、都内での就職は強いが地方就職が滅法強いわけではない。

地方国立の鳥取大学では、近くにある鳥取砂丘を利用して砂漠を森林化させる独自の研究をしている。慶應SFCでは、日本のインターネット誕生の地として最先端テクノロジーの研究を行っている。偏差値や知名度ではなく、どこで何をするかが重要視されるべきだろう。

2015/03/06

Logo 53dd61093cf8d63d13b3d7524c42fb9bf7adba1c6679e7e2596fdfb6aca875c6

Scroll btn b7b0a99d7f8504053fadef9a662611d4469b8039cd15d71f14e5b6a1cf11cfa1