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『銀の匙』の舞台!北海道、”帯広農業高校”ってどんなとこ?

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エゾノーの舞台!

近年、大人気マンガ『銀の匙 Silver Spoon』のモデルとなった北海道帯広農業高校が注目を浴びている。原作者の荒川弘氏は同校出身者。

Amazon:『銀の匙』

2013年には原作の累計発行部数が1000万部を突破したが、その年の帯広農業高校酪農科学科は、定員の40名に対して、道外からの出願11名を含む68名が出願することとなった。

北海道で熱い視線を浴びている帯広農業高校の、「汗と涙と動物」酪農青春の全貌を皆さんにお伝えしよう。

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幅広い6つのコースに、エゾノーと同じ全寮生活も!

『銀の匙』の舞台となる架空の高校、大蝦夷農業高等学校(通称:エゾノー)には5つの学科が存在するが、モデルとなった帯広農業高校(通称:帯農)には6つの学科が存在する。

そのうち、『銀の匙』でもよく見かける3つの学科を簡単に紹介しよう。

・酪農科学科

『銀の匙』の主人公・八軒勇吾はこの学科所属。酪農の現状は深刻だ。牛乳の消費低迷や飼料価格の高騰のような問題が、酪農経営の安定を阻害している。そのような時代だからこそ、酪農科では、牛を中心に教材としてとりあげ、体外受精やチーズの加工まで幅広く学習する。

・農業科学科

八軒のルームメイト・西川一はこの農業科学科所属。農業科では、広大な十勝平野に6haを超える面積を使用する。ジャガイモや小麦栽培などの実習を行い、日本の農業を支えていく農業後継者の育成を目指している。帯農の広さを表すのにはhaの単位を使わないと話にならない。

・食品科学科 同じく八軒のルームメイトである別府太郎は、食品科所属。食品科では、農業と食の関わり方を考えるため、実際に授業内で栽培を行い、加工、流通までの一連の流れを学習する。また、簿記会計などの資格取得も目指すという。食品衛生など幅広く、食にまつわることを学び、食のスペシャリスト育成を目指している。

また、農業科学科、酪農科学科、食品科学科の生徒の1年生は全員「育成寮」という寮で生活を送ることになる。『銀の匙』では、入浴時間は一人15分というルールがあったが、それは帯農でも同じである。浴室の外では、教師が入浴時間を計るくらいである。

基本的に寮は2人部屋で、机、椅子、ベッド、ロッカー、物入れが備え付けられている。年3回の部屋替えがあるので、学科を越えた友人ができるという。

朝食と夕食は、全員が食堂で食事をとる。もちろん、常に腹を空かせている年頃である。我先にと勢い良くご飯を口の中にかきこむ姿は爽快だ。

ちなみに、『銀の匙』でも有名な定期考査後の焼き肉イベントは実際に行われているそうだ。

また、寮生活での特徴といえば、時間外実習があることだろう。酪農科学科は「乳牛・豚鶏」、食品科学科は「製造・乳牛・豚鶏」の各部門で実習を行う。原作でも主人公の八軒が実習のために早起きする様子が描かれている。

農業経営者育成寮は日本全国でも30校の学校でしか設置されておらず、寮生活に憧れて帯農にやってくる生徒も多いという。

続いては、帯農では一体どのような授業が展開されているのかを見ていこう。命の大切さを日々学べる授業は誰もが必見だ。

牛の乳搾りから豚の屠殺まで…生命の大切さを学ぶ

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『銀の匙』の主人公である八軒勇吾が所属していた酪農科学科をメインに、帯農の学習内容がどういったものかを見ていこう。

酪農科学科では、牛、豚、鶏などを教材に頭と体のどちらも使って学習をしていく。

1年生が学ぶ「農業科学基」の授業では、十勝の主要作物であるジャガイモ、トウモロコシ、ダイズなどの栽培を通して、土壌や肥料および栽培の基礎を学ぶという。

「畜産」の授業は、1年生~3年生までが学ぶことになる。搾乳理論や飼料作物の栽培・調製、牛の観察方法や健康診断などを取り扱うのが、この畜産という教科である。

そして、豚の去勢手術や、帯広畜産大学との連携事業「豚の体構成と食肉の加工」では、自分たちで育ててきた豚を屠殺し、体の構造を学習すると共に、加工技術や食料としての豚の価値、命の大切さを学ぶ。

『銀の匙』でも一番有名なワンシーンとして描かれているが、実際の生徒達の心境は、簡単に言葉では言い表せないほど衝撃的だろう。

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生徒たちは、出来立てのソーセージを食べることになるが、「いただきます」の言葉の意味を心から理解できるようになるのである。酪農科学科では、他のコースに協力してもらって「家畜に感謝する会」も実施する。

また、帯農の豚を使った豚汁や、生徒自らが作った石窯を使用して、ピザを作るという。味噌は食品科学科から、野菜は農業科学科から、薪は森林科学科から提供してもらい、ピザに使うソーセージなどは帯広畜産大学との連携事業で作ったものを使用する。

家畜のおかげで生活ができ、豊かさも味わえることを実感できる有意義な会である。

 

畜産に関わるバイオテクノロジーも取り扱い、「動物微生物バイオテクノロジー」では、受精卵移植技術を中心に学び、DNA解析や乳房炎原因菌の特定といったような踏み込んだところまで学ぶ。購入したブラウンスイス種の受精卵を無事に誕生させることもできたそうだ。

帯農は、農業高校であるが、実は部活動にも力を入れて取り組んでいる。特に柔道部、陸上部、スピードスケート部が強豪で、全国大会の常連である。また、全国的にも珍しい馬術部があるのも特徴だろう。主人公・八軒も馬術に青春を捧げる姿が印象的だ。

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私たちの生活とは切っても切り離せない「食」。日本の食の未来を真剣に考え、持続可能な社会を目指す若者たちは日々帯農で奮闘をしている。

私たちも一つ一つの生命を含め、彼らの努力に感謝しなければならない。

まだ、『銀の匙』を読んだことない方には是非一度読んでいただきたい。「食べる」ということが「感謝」に変わるだろう。

2015/03/04

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